集団随伴性及び行動連鎖中断法

集団随伴性及び行動連鎖中断法

 「ゴロゴロパズル(的あてパズル)」という活動です。6名の自閉症および広汎性発達障害のお子さんが参加しています。1試行で、3名が活動に参加します。指導者から呈示された絵カードを見て、どの的にあてるのか伝える人、ボールを的にあてる人、倒れた的を壁(パズルの土台)に差し込みパズルを完成させる人の役割に分かれています。的にはイラストが描かれています。そして、的の足の裏は、壁(パズルの土台)に書かれたイラストを9等分にしたピースとなっています。的を壁にさすとパズルが完成します。パズルが完成した後は、関連するDVDを見たり音楽を聴いたりします(3つ目のビデオ)。
 この指導では、それぞれが役割をこなさなければ、パズルが完成しません。また指導では、伝える人が「いいですか」と参加している他児に聞いた後、「いいよ」と言ってもらえたら、用意したシートに一つ○を書きます。この「いいですか」が標的行動です。標的行動が一定数に達することで強化子を呈示しました。集団随伴性対象児と仲間の行動によって、その集団に強化を与える操作を行う方法を用いた指導ですが、伝える人、個人に依存する集団随伴性であるといえます。
 指導では、まず、活動の流れを子どもたちが知り、役割行動の連鎖化を図りました(最初のビデオ)。そのあとで、連鎖化した行動の一部を中断する行動連鎖中断法確立された行動連鎖を一時的に中断し、その中断している間に後続する活動を開始するために必要な社会的行動を指導する方法を用いました。ここでは、的を遠くに置くことにより、なかなか倒れない状況を作っています(2つ目のビデオ)。集団随伴性においては、その副次的効果として、スムーズに行動をしない子供に対して他児が何をするのかプロンプトを出すような場面がみられました。行動連鎖中断法を用いると、「がんばれ」といった励ましを示す子、的が倒れないときに「残念」と言ったり倒れると一緒に拍手をするような共感を示す子、「こっちを見て」といった他児の注意を喚起するような子がいました。

【最初のビデオ】役割行動の連鎖化
【2つ目のビデオ】行動連鎖中断法
【3つ目のビデオ】パズル完成

あゆ