実践例:自傷や他害、つばはきが頻発する

実践例:自傷や他害、つばはきが頻発する

ワークシート1:(基礎情報)

年齢 11歳
性別
診断名 知的障害
所属 特別支援学校
知能検査 療育手帳:A
特徴 発語はないが、「アー」、「リアリー」「ベーベーベー」「バーバー」といった発声のレパートリーがある。机の中や、スチールの棚の中に顔を突っ込んで、声をだし、反響を楽しんでいる様子がみられる。コミュニケーションは、クレーン動作や写真カード(特定のもののみ)を使用して行う。身辺自立はしておらず、一部介助を必要とする。 

自傷、他害が小学部1年のときからみられていた。やりたいことができなかったり、注意を受けると起こることが多かった。その他の場面でも、頻繁にみられるが原因がわからないことも多かった。自傷は、自分の頭を叩く、机や壁に頭を打ちつける、腕をかむというものである。他害は、大人、子ども構わず、つねる、叩く、噛むというものである。

家庭でお母さんは、本児の行動を注意することなく、常に受容してきた。例えば、噛まれたら噛まれっぱなしにしておくなどである。

以前(小学校2年のころ)は、コミュニケーションカードを渡して好きな教材を要求することもあったのだが、現在は限られたもののみしか自発しない。本児は、偏食があるため、給食は白いごはんか麺、パンの白い部分のみを食べる。その際に「ゴマ塩」の写真カードを要求し、お替わりの要求で「お替わりカード」を教員に渡すというものである。

4年生より、他者への唾吐きも起こるようになってきた。唾吐きは特定の人に起こることが多くなり、反応が大きい人に起こるのではないかと考えられる。また、大人同士が話しているときに近寄ってきて唾を吐くことがよくある。5年生の2学期よりより、自立課題を中心とした国・数の時間はより自傷・他害が目立っている。

次の活動に向けて自発的に行動する場面はほとんどなく、常に教員の指示を要した。

 

ワークシート2:(MASDurand とCrriminsが1988年に発表した、行動問題の機能を探るための質問紙。16の質問項目からなり、7段階のリッカートスケールで評価を行う。評価の結果をもとに、物や活動の獲得要求、注目要求、逃避要求、感覚要求の4種類の機能のいずれが当該行動の機能である可能性が高いのか、推測することができる。主観的な評価ではあるが、信頼性や妥当性が確認されている。

(教員1の結果)
お子さんの 自傷 という行動についてのMASの採点結果

感覚要因 逃避要求 注目要求 物や活動の要求
1. 2. 3. 4.
5. 6. 7. 8.
9. 10. 11. 12.
13. 14. 15. 16.
合計= 10 14
平均点= 1.5 2.5 1.5 3.5
順位=

ワークシート2:(MASDurand とCrriminsが1988年に発表した、行動問題の機能を探るための質問紙。16の質問項目からなり、7段階のリッカートスケールで評価を行う。評価の結果をもとに、物や活動の獲得要求、注目要求、逃避要求、感覚要求の4種類の機能のいずれが当該行動の機能である可能性が高いのか、推測することができる。主観的な評価ではあるが、信頼性や妥当性が確認されている。

(教員2の結果)
お子さんの 自傷 という行動についてのMASの採点結果

感覚要因 逃避要求 注目要求 物や活動の要求
1. 2. 3. 4.
5. 6. 7. 8.
9. 10. 11. 12.
13. 14. 15. 16.
合計= 12 17
平均点= 1.75 4.25
順位=

 

ワークシート2:(MASDurand とCrriminsが1988年に発表した、行動問題の機能を探るための質問紙。16の質問項目からなり、7段階のリッカートスケールで評価を行う。評価の結果をもとに、物や活動の獲得要求、注目要求、逃避要求、感覚要求の4種類の機能のいずれが当該行動の機能である可能性が高いのか、推測することができる。主観的な評価ではあるが、信頼性や妥当性が確認されている。

(教員1の結果)
お子さんの 他害 という行動についてのMASの採点結果

感覚要因 逃避要求 注目要求 物や活動の要求
1. 2. 3. 4.
5. 6. 7. 8.
9. 10. 11. 12.
13. 14. 15. 16.
合計= 15
平均点= 3。5 3.75
順位=

 

ワークシート2:(MASDurand とCrriminsが1988年に発表した、行動問題の機能を探るための質問紙。16の質問項目からなり、7段階のリッカートスケールで評価を行う。評価の結果をもとに、物や活動の獲得要求、注目要求、逃避要求、感覚要求の4種類の機能のいずれが当該行動の機能である可能性が高いのか、推測することができる。主観的な評価ではあるが、信頼性や妥当性が確認されている。

(教員2の結果)
お子さんの 他害 という行動についてのMASの採点結果

感覚要因 逃避要求 注目要求 物や活動の要求
1. 2. 3. 4.
5. 6. 7. 8.
9. 10. 11. 12.
13. 14. 15. 16.
合計= 11 14
平均点= 0.75 2.75 3.5
順位=

 

ワークシート3:(行動問題の特徴)

気になる 自傷 という行動について以下の質問項目にお答えください。特に何らかの傾向がなかったり回答することが難しい場合は無記入でもかまいません。

1. その行動はいつ起こることが多いですか? 暑い、自立活動、国・数、調理、歯磨き、登校時、授業中、あらゆる場面
2. その行動はどこで起こることが多いですか? 教室、廊下、大きな集団での慣れない学習
3. その行動は誰に対して、あるいは誰と一緒のときにおこることが多いですか? 教員、親、クラスの子
4. その行動は何歳くらいから始まっていますか? 4~5歳?
5. その行動はどのくらいの頻度で起こりますか?
(たとえば、1日に2,3回、1時間に1,2回、1週間に1,2回など)
1日に2~3回
大きなイライラは月に数回
6. その行動はどのくらいの強さで起こりますか?
(たとえば、隣の部屋に聞こえるくらいの声、叩いたところが青くなるくらいの強さなど)
小さいイライラは噛むことが多く、歯型がついてもすぐに消える程度、大きいイライラは思い切り床や壁等に頭を打ち付ける、腕は長年、噛み続けた後の黒いシミが広範囲にある。
7. その行動が起こっている様子を具体的にご記入ください(「他害」というのではなく、頭を自分のこぶしで叩くなど) 腕を噛む、肘を机に打ち付ける、膝を床に打ち付ける、頭をグーで叩く、頭を壁や床に打ち付ける
8. その行動に対して、どのように対応しますか?
該当することに○をしてください
放っておく・要求しているものを渡す・○好きなことをやらせる・その場から離す・注意する・○クールダウンのための手続きをとる(具体的には      )・その他(足裏マッサージ等      )
9. その行動は上記の方法で収束しますか? 徐々に収まり、10分~20分でほぼ収まる
10. その行動はどのくらいの時間続きますか? ・小さいイライラ5分程度
・大きいイライラ20~30分程度
11. その行動と関連していると思われる項目があれば、○をして具体的に記入してください。 ○体調(                 )
疲労(                 )
○服薬(安定する薬は服用している    )
○音( 話し声、大きな声が嫌い       )
○睡眠( 浅い日もある、就寝時間は早まり、落ち着いてきた                )
食事(                 )
○集団の大きさ( 大きい慣れない集団は苦手            )
○指導形態など(1対1も好きではなさそう )
12. お子さんが特に興味や関心の高いことは何ですか?また、こだわりはありますか? 刺激、感覚
こだわりは、ドアや扉がきっちり閉まっているか
13. お子さんが苦手なことや嫌いなことはどんなことですか? 机上の課題はどちらかというと、好まない。友達に関わられる
14. お子さんの主となるコミュニケーション手段は何ですか? 写真カード、サイン(終わり、拒否)
15. 左記の項目において、お子さんの好きなことがあれば、具体的にご記入ください。
  • 遊び( トランポリン、走る、ブランコ、バランスボール   )
  • キャラクター( 玩具、アンパンマン? )
  • 歌手(                 )
  • 食べ物(ごはん、ふりかけ、じゃがりこ、アルフォート)
  • 趣味(                 )
  • 遊び (                )
  • その他(  外への散歩        )

16. お子さんが人とのかかわりで喜ぶことはどんなことがありますか?先の項目において該当することがあれば具体的にご記入ください
  • 拍手・頭なで・○ハイタッチ・握手・くすぐりなど
  • 遊び( ブランコ、トランポリン     )
  • 賞賛( 両手をつないで大きく振る    )
  • お手伝い(               )
  • 儀式的なやり取り(           )
  • お出かけ(               )
  • お小遣い (              )
  • その他(                )

 

ワークシート3:(行動問題の特徴)

気になる 他害 という行動について以下の質問項目にお答えください。特に何らかの傾向がなかったり回答することが難しい場合は無記入でもかまいません。

17. その行動はいつ起こることが多いですか? 自分の意に反したとき、大きな声、暑いとき、机上の課題
18. その行動はどこで起こることが多いですか? 教室、廊下
19. その行動は誰に対して、あるいは誰と一緒のときにおこることが多いですか? 教員、親、クラスの子
20. その行動は何歳くらいから始まっていますか?
21. その行動はどのくらいの頻度で起こりますか?
(たとえば、1日に2,3回、1時間に1,2回、1週間に1,2回など)
一日2~3回ぐらい、ないときはほとんどない、大きいときは週1回ぐらい
22. その行動はどのくらいの強さで起こりますか?
(たとえば、隣の部屋に聞こえるくらいの声、叩いたところが青くなるくらいの強さなど)
つねる、手で叩く、腕を噛むはかなり強い。噛まれた痕が10日間程経ってもまだ歯型が残る、つねった痕も2~3日残る
23. その行動が起こっている様子を具体的にご記入ください(「他害」というのではなく、頭を自分のこぶしで叩くなど) 腕をつねる、噛む、手で水平に外側へ向けて叩く、頭突き、
24. その行動に対して、どのように対応しますか?
該当することに○をしてください
放っておく・要求しているものを渡す・好きなことをやらせる・その場から離す・注意する・○クールダウンのための手続きをとる(具体的には      )・その他(好きなことをやらせる、足裏マッサージ等      )
25. その行動は上記の方法で収束しますか? ほとんど時間とともに収束する
26. その行動はどのくらいの時間続きますか? ・30分ぐらい
・10分~20分程
27. その行動と関連していると思われる項目があれば、○をして具体的に記入してください。 体調(                 )
疲労(                 )
○服薬(                 )
○音( 不快な声、音          )
○睡眠(                 )
食事(                 )
○集団の大きさ(             )
○指導形態など(自分に意に沿わない指示  )
28. お子さんが特に興味や関心の高いことは何ですか?また、こだわりはありますか? 特定の玩具(持つもの)、遊び(トランポリン等)
こだわりは、ドアや扉がきっちり閉まっているか
29. お子さんが苦手なことや嫌いなことはどんなことですか? 暑さ、人の話し声、集団のざわつき、環境の変化
30. お子さんの主となるコミュニケーション手段は何ですか? 写真カード、サイン(終わり、拒否)
31. 左記の項目において、お子さんの好きなことがあれば、具体的にご記入ください。 遊び( トランポリン、走る、ブランコ    )
キャラクター( 玩具、アンパンマン? )
歌手(                 )
食べ物(ごはん、ふりかけ、じゃがりこ、アルフォート)
趣味(                 )
遊び (                )
その他(                )
32. お子さんが人とのかかわりで喜ぶことはどんなことがありますか?先の項目において該当することがあれば具体的にご記入ください 拍手・頭なで・ハイタッチ・握手・くすぐりなど
遊び( ブランコ、トランポリン     )
賞賛( 両手をつないで大きく振る    )
お手伝い(               )
儀式的なやり取り(           )
お出かけ(               )
お小遣い (              )
その他(                )

 

ワークシート6:(FAOF)

ワークシート8:(頭の中のアセスメント)


ワークシート8:(頭の中のアセスメント)

ワークシート9(ABC分析)

きっかけ 行動 対応および結果
・活動中(国・算)
・教員に声をかけられる
自傷、他害 ・課題を変えずに、課題の遂行を手伝う 


本児としては
・手伝ってもらえて、課題が早く終わる

対応および結果
・課題の呈示を止める 


本児としては
・課題から逸脱できる

本児の自傷や他害は、主に「逃避」の機能を含んでいることが推測され、特に動機づけの低い活動において起こるようである。その場面における、先生からの促しや注意といった声かけはさらに自傷や他害を引き起こしやすいと考えられる。また、本児の他者とのコミュニケーション場面は非常に限られた状態が続いており、他者に自分の要求を何らかの手段で表出したり、要求を満たしてもらったりするという経験をあまりしていないこともうかがえる。

 

支援の方針

○自傷や他害の生起はほぼ特定の場面、国語・算数の時間であるので、その場面で本児にとって必要な力であるコミュニケーション手段の確立をねらいとした、楽しい学習となるように課題の内容を変える。
○本児の要求したい内容を増やしていきつつ、カードやサインでの要求の自発生起を図る。
○要求したものが強化子となるだけではなく、他者からの賞賛が強化子となるようにし、他者からの誘いに応じて様々な活動に取り組んで賞賛される機会を増やす。

 

1. 国・算の時間に、自傷や他害を生起させずに、コミュニケーション課題に取り組む。
2. 給食の時間に、カードを渡して要求するというコミュニケーションを状況に応じて行う。
3. 「ちょうだいサイン」で目の前の物や、人との活動を要求することができる。

 

1に対するアプローチ

ステップ1

本児の好きな課題や玩具のカードを1つ呈示する。本児がカードを先生に渡したら、先生は要求されたものを渡す。本児はしばらくそれに取り組んだり遊んだりし、一定の時間が経過したら、先生は穏やかにものを引き取り、再度選択肢の呈示をして・・・というように繰り返す。

きっかけ 行動 対応および結果
・国・算の時間
・先生が、本児の好きなもの(課題・玩具)を表したカードを呈示する
カードを先生に渡して、
要求する
・カードに応じて、要求した好きなものの名称を「〇〇」と言って渡す 


本児としては
・要求が伝わり、好きなものが貰える

行動 対応および結果
自傷・他害 ・カードを取って先生に渡すよう、STが身体プロンプトをする 


本児としては
・カードを渡さないと好きなものが貰えない

※「自傷・他害をする→カードでの要求を促され、好きなものができる」と学習しないように、できるだけ、自傷・他害が起こりそうになったらすぐにカードを渡すように身体プロンプトを行う必要がある。また、好きなものとして用意したものがMさんにとって本当に好きなものであるか検討する必要もある。

 

ステップ1

ステップ2

前半と後半に分ける。

【前半】:「選ぶ」ということを学習することをねらいとする。ステップ1で呈示していた好きな課題や玩具のカードを1つと、本児が全く興味のないもの(あるいは白紙)のカードを1つ用意し、選択肢として与えられるようにする。本児が、選択肢の中からやりたい方のカードを選んで先生に渡したら、先生は要求されたものを渡し、本児はしばらくそれに取り組んだり遊んだりし、一定の時間が経過したら、先生は穏やかにものを引き取り、再度選択肢の呈示をして・・・というように繰り返す。

【後半】:「好きなものを選ぶ」ということを学習することをねらいとする。前半と異なる点は、2つのカードとも本児の好きなカードを呈示するというところである。

きっかけ 行動 対応および結果
・国・算の時間 

・先生が、本児の好きなもの(課題・玩具)を表したカードを2つ呈示する

カードを選んで、先生に渡して要求する ・カードに応じて、要求した好きなものの名称を「〇〇」と言って渡す 


本児としては

・要求が伝わり、好きなことができる

行動 対応および結果
自傷・他害 ・カードを取って先生に渡すよう、STが身体プロンプトをする 


本児としては

・カードを渡さないと好きなものが貰えない

 

ステップ2(必要がなければSTは外していく)

ステップ3

先生が好きなものを選択肢で呈示して本児が要求して取り組む。次に先生が「取り組んでほしい課題」を選択肢で呈示して本児が要求して取り組む。というサイクルを繰り返し行う。

きっかけ 行動 対応および結果
・国・算の時間
・先生が、本児に「取り組んでほしい課題」のカードを2つ呈示する
・カードを選んで、先生に
渡して要求する
・「取り組んでほしい課題」に取り組む
・カードで要求した「取り組んでほしい課題」の名称を「〇〇」と言って渡す
・課題が完遂したら褒めて、好きなものの選択肢呈示を行う 


本児としては
・要求が伝わり、やりたい方の課題ができる
・「取り組んでほしい課題」が終わったら褒められ、好きなことができる

行動 対応および結果
自傷・他害 ・課題が完遂しなければ、好きなものの選択肢呈示は行わない 


本児としては
・課題をやり終えないと好きなものが貰えない

※課題の順番としては、最初に<好きなもの>→<取り組んでほしい課題>→<好きなもの>→<取り組んでほしい課題>・・とした方が、ステップ3になっても国・算の授業に対する嫌悪感をもたずに臨めると思われる。

 

ステップ3(最初にステップ2:後半の好きなものをやってから)

2に対するアプローチ

現在、本児からの自発的に要求できる「ふりかけカード」と「お替わりカード」を渡す行動をステップアップさせ、カードでの要求が様々な状況でも生起するようにする。具体的には、①本児の要求を伝える対象である先生との距離を離し、先生のところまで行ってトントンとTの肩を叩いてカードを渡して要求する。②使用するカードが本児から離れた場所にあっても、自分で取りに行き、トントンと本児の肩を叩いてカードを渡して要求する、ということができるようにする。それぞれ、最初はSTが身体プロンプトをしながら行う。

 

3に対するアプローチ

カードだけでなく、「ちょうだいサイン」ができるようになると、コミュニケーションの機会を広げられると考えられる。また、物の要求だけでなく、本児が他者と緒に楽しめる活動をみつけ、本児の他者に対する「もっとやって」という気持ちを引き出して人を要求する機会を増やしていきたいものである。そのために、本児の日頃の行動を観察し、本児の好んで行う活動に教員が加わって真似をしてみたり、積極的に様々な活動に誘ったりして一緒に楽しめるものを増やすことが必要である。以下は例である。

〈例〉回転椅子を使った遊びでの「ちょうだいサイン」

しばらく回してあげてから止め、本児が楽しんでいるようであれば身体プロンプトで「ちょうだいサイン」を教え、再開する

<その他の例>

・ブランコを押す関わり、足の裏のマッサージでの関わり、本児がほしがるものがあるという場面など。

その他の支援

本児の自傷や他害は、それが起こりやすい状況(動機づけの低い活動)に加え、他者による声かけがきっかけとして起こっていることもあった。そのことから、人の声かけ自体に嫌悪感をもっているとも考えられるため、できるだけ声かけでの指示や促しは控え、具体物を呈示しての誘導を行うこととした。また、本児が楽しんでいる場面で、共感するような声かけを行うようにした。

ポイント

本児の自傷や他害は、主に特定の場面で生起していることから、まずは特定の場面における環境設定を変えることから始めた。現在は、自立課題として一人で行っていることが多いので、そこにコミュニケーション課題を組み入れた。

また、現在本児は給食場面という限られた場面でのコミュニケーションしか行えていないため、他者に要求を充足してもらうという経験を十分に積むことができていないと思われた。また、自分にとっては楽しくない活動でも、他者から呈示されたときに取り組めることができるようになるためには、まず他者が自分にとって要求を満たしてくれる、必要な存在であることをたくさん経験する必要があると思われる。

そのようなことから、要求したいと思えるものを増やしていくことや、コミュニケーション手段の確立をねらいとした支援計画を作成した。

ちえちゃん